2026-09-28 終値時点 · 決算は FY26 Q3(2026-06-27 終了、10-Q は 2026-07-31 提出)まで。株価は 2026-09-28 終値、現在値 $329.40 は 2026-09-29 終値
アップルは同業より79%割高。それでも今回は近年最強の iPhone サイクル、iPhone は22%増
アップルの 6 月四半期の売上高は前年同期比 16.4% 増の $109.4B、iPhone は 22% 増と、ここ数年で最も好調です。ただし EPS $2.02 のうち $0.11 は一時的な関税還付で、売上総利益率 50.1% のうち約 2 ポイントも還付によるものです。これを除くと市場予想に対する上振れ幅は 6.7% から約 0.9%(推定)に縮みます(8-K、2026-07-30)。在庫のうち部品は $2.1B から $7.6B に膨らみ、メモリー価格の上昇は加速しています(10-Q、2026-07-31)。株価は今期予想 PER 37.3x で、同業中央値 20.8x より 79% 高い一方、売上高の伸びは同業で最も低い水準です。
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相場環境
相場は冷え込み、アップルは逆行高です。S&P 500 は 1 週間で -1.2%、1 カ月で -0.5%、年初来 +12.1%。ラッセル 2000 は 3 カ月で -7.2% です。米 10 年債利回りは 5.26% で、1 カ月で 53.5bp 上昇しました。VIX は 16.04、ドル指数は 1 カ月で +1.7 です。
テクノロジー ETF(XLK)の年初来 +35.6% に対し、アップルは +24.8% でセクターには負けていますが、S&P を 12.8 ポイント上回っています。1 年ベータ(市場に対する感応度)は 0.71、相関係数は 0.38 にとどまり、この 1 年の上昇は相場全体ではなく自社の iPhone サイクルによるものです。
最大の外部要因は金利です。9 月の利上げ後、PER 37 倍の銘柄は割引率の上昇に最も敏感です。9 月 29 日にアップルは 2.7% 下落して $329.40(yfinance 現在値)となりましたが、会社固有の明確な理由は見当たりません(推測:利回り上昇の影響)。
指数とセクター
| 直近 | 1週間 | 1カ月 | 3カ月 | 年初来 | 1年 | |
|---|---|---|---|---|---|---|
| S&P 500 | 7,670.84 | -1.2% | -0.5% | +2.3% | +12.1% | +15.2% |
| ナスダック総合 | 26,797.54 | -1.6% | +1.5% | +2.2% | +15.3% | +18.6% |
| ダウ工業株30種 | 51,349.92 | -1.0% | -4.1% | -1.9% | +6.8% | +10.9% |
| ラッセル2000 | 2,807.92 | -2.8% | -5.5% | -7.2% | +13.1% | +15.3% |
| Technology セクター ETF | 194.53 | -0.2% | +4.9% | +5.0% | +35.6% | +40.2% |
| AAPL | 338.40 | -0.2% | +5.8% | +20.2% | +24.8% | +33.0% |
金利・ボラティリティ・相対パフォーマンス
マクロと市場の出来事
| 日付 | 出来事 | この銘柄にとっての意味 | 出典 |
|---|---|---|---|
| 2026-09-16 | FRB が 25bp 利上げ、誘導目標は 3.75%–4%。2023 年以来の利上げ | 政策金利の上昇 → 割引率の上昇 → 高バリュエーション株に逆風。アップルの今期 PER 37.3x は同業中央値より 79% 高く、影響を最も直接に受けます。分割払いで iPhone を買う際の金利負担も増えます(推測。需要への影響は定量化されていません)。 | Federal Reserve |
| 2026-09-11 | 8 月 CPI は前年比 3.4%、ガソリンは 27.4% 上昇、原油は再び $100 超え | 原油主導のインフレ → 追加利上げの確率上昇 → バリュエーション圧力が続きます。エネルギー支出が裁量消費を圧迫し、$1,999 の折りたたみ iPhone のような高額新製品には不利です(推測)。 | CNBC |
| 2026-09-28 | 米 10 年債利回りが一時 5.281%、30 年債は 5.613% と 2002 年以来の高水準 | 長期金利が数年来の高水準 → 債券に対する株式の魅力が低下。アップルの配当利回りは 0.32% と 5% を超える国債利回りを大きく下回り、バリュエーションは自社株買いと成長頼みです。 | CNBC |
| 2026-09-04 | 8 月の非農業部門雇用者数は 16.2 万人増、失業率 4.1% | 雇用は予想(5.3 万人)を上回りました → 消費需要は底堅く買い替えには追い風ですが、FRB に利上げの根拠も与えます。アップルにとっては需要面でプラス、バリュエーション面でマイナスです。 | CNBC |
イベント
陪審がアップルに Taction への $5.7B の賠償を命じる評決、米国史上最大の特許評決
サンディエゴの連邦陪審は、Taptic Engine が Taction の触覚技術特許 2 件を侵害したと認定しましたが、故意侵害は認めませんでした。アップルは控訴する方針です。$5.7B は TTM 純利益 $128.9B の約 4.4% で、一過性の打撃としては吸収可能です。7 月の 10-Q では、経営陣は重大な損失の合理的な可能性はないとしていました(10-Q、2026-07-31)。
初の折りたたみ端末 iPhone Duo は $1,999、10 月 23 日発売
10 月 16 日に予約開始、10 月 23 日に 70 以上の国と地域で発売します。12 月四半期の平均単価を押し上げますが、生産能力と歩留まりが不明で、寄与の大きさは見積もれません。
iPhone 18 Pro は $1,199 から、Pro Max は $1,299 から
発表前の MacRumors の予測では、いずれも前世代より $100 高い価格です。値上げでメモリーコストを吸収できますが、買い替え台数を押し下げるかどうかは 12 月四半期の数字を待つ必要があります。9 月 18 日発売。
ジョン・ターナス氏が CEO に就任、ティム・クック氏は執行会長へ
4 月 20 日発表、9 月 1 日発効の計画的な交代です(8-K item 5.02、2026-04-20)。ターナス氏はハードウェアエンジニアリング担当上級副社長でした。事業は当面変わらず、折りたたみ端末と AI 戦略の実行は同氏の責任となります。
10-Q:部品コスト高と供給制約は「さらに強まる見通し」
10-Q のリスク要因は、先端半導体、NAND、DRAM の需給逼迫で供給制約とコスト上昇が起きており、会社はこの傾向が強まると見込み、売上高と売上総利益率に重大な悪影響を及ぼしうると記載しています(10-Q、2026-07-31)。同じ期間に部品在庫は $2.1B から $7.6B に増えました。
9 月四半期見通し:増収率は 9%–11% に減速、売上総利益率は 47%–48%
増収率は 16% から 9%–11% に減速し、売上総利益率は 50.1% から 2–3 ポイント低下します。経営陣は先端プロセスの半導体の供給不足とメモリー価格の上昇を理由に挙げました。9 月四半期売上高のアナリスト平均 $113.6B(+10.9%)はすでにガイダンス上限にあります。
6 月四半期売上高 $109.4B(+16%)、EPS $2.02 には関税還付 $0.11 を含む
iPhone $54.3B(+22%)、Mac $10.4B(+29%)、サービス $30.7B(+12%)、大中華圏 $18.8B(+22.4%)。プレスリリースは、売上総利益率 50.1% に関税還付による約 2 ポイント、EPS に $0.11 が含まれると明記しています(8-K、2026-07-30)。増収は本物ですが、利益の上振れは割り引いて見る必要があります。
赤は好材料、緑は悪材料(中国式の配色)、灰色は中立、青はまだ判断できないもの。
過去90日のアナリスト評価の変更(31件、直近12件を表示)
| 日付 | 機関 | 動き | 評価 | 目標株価 |
|---|---|---|---|---|
| 2026-09-29 | Morgan Stanley | reit | Overweight → Overweight | 360 → 360 |
| 2026-09-23 | B of A Securities | reit | Buy → Buy | 370 → 370 |
| 2026-09-18 | Evercore ISI Group | main | Outperform → Outperform | 365 → 380 |
| 2026-09-17 | B of A Securities | reit | Buy → Buy | 370 → 370 |
| 2026-09-10 | TD Cowen | reit | Buy → Buy | 400 → 400 |
| 2026-09-10 | Rosenblatt | main | Neutral → Neutral | 303 → 303 |
| 2026-09-10 | B of A Securities | main | Buy → Buy | 380 → 370 |
| 2026-09-08 | HSBC | reit | Buy → Buy | 366 → 366 |
| 2026-09-08 | Needham | reit | Hold → Hold | 0 → 0 |
| 2026-09-02 | Morgan Stanley | reit | Overweight → Overweight | 360 → 360 |
| 2026-09-02 | DA Davidson | main | Neutral → Neutral | 270 → 270 |
| 2026-09-01 | Rosenblatt | main | Neutral → Neutral | 300 → 303 |
yfinance の集計で、個別には検証していません。up 引き上げ、down 引き下げ、main 据え置き、init 新規、reit 再表明。
レーティングとスコアカード
当社のレーティング
発行者の判断:買い。ルールによる推奨(中立、スコアカード加重点 3.05)より1段階上です。
ルールはバリュエーションを1点としました。今期PERは37.3倍で、同業中央値20.8倍より79%割高です。それでも今回の iPhone サイクルはこのプレミアムを支えられると考えます。
- ここ数年で最も強い局面。 6月四半期の売上高は1,094億ドル(+16.4%)、iPhone は+22%、中華圏は+22.4%。折りたたみ式の iPhone Duo が10月に発売され、12月四半期の平均単価を押し上げます。
- 画面の数字より現金は多い。 決算書ベースの直近12カ月フリーキャッシュフローは1,367億ドル(yfinance は1,077億ドル)、フリーキャッシュフロー / 純利益は1.06倍。長期保有の有価証券841億ドルを加えると、ネットキャッシュは約622億ドルです。
- トレンドは味方。 3カ月・1年とも S&P500 を約18ポイント上回り、株価は50日・200日移動平均線の上にあります。
リスクと判断を変える条件: 前四半期の上振れ $0.13 のうち $0.11 は一時的な関税還付です。部品在庫は21億ドルから76億ドルに増え、メモリ価格の上昇も続いています。9月四半期の粗利率見通しは47%〜48%。Taction 訴訟の57億ドルの評決は控訴中で、Google の検索分配金には独禁法上のリスクがあります。12月四半期の売上高見通しが5%未満、Google 分配金の禁止判決、粗利率の見通し下限割れのいずれかがあれば格下げです。
レーティングは公開情報にもとづくリサーチ上の見解で、特定の個人の資産状況を前提にしたものではありません。ルールと分布は レーティングの定義
リスクの点数は高いほどリスクが低いことを示します。5項目の加重点から推奨レーティングを出し、発行者が確認して確定します。
この点数の理由
売上高は 6 月四半期 +16.4%、9 カ月累計 +16.2% で、10%–20% の区分に入るため 4 点です。5 点にしないのは、伸びが加速しておらず、9 月四半期の見通しが 9%–11% に下がるためです。利益率での加点もしません。営業利益率 32.6% は前年同期より 2.6 ポイント高く見えますが、約 $2.2B の関税還付(推定)を除くと約 30.6% で、改善は 0.6 ポイントにとどまります。
売上高 +16.4%(Q3)、+16.2%(9M);営業利益率 32.6%、還付除き約 30.6%(推定)
今期 PER 37.3x は同業中央値 20.8x(MSFT、GOOGL、AMZN、META、DELL)より 79% 高く、「40% 超割高」の区分です。PEG も助けになりません。来期 EPS の予想成長率は 8.6% で、PEG は約 4.3 です。売上高の伸び 16.4% はこの同業グループで最も低い水準です。同業はプラットフォームやハードウェアの大手で事業は完全には一致しませんが、差が大きく結論は変わりません。
PER 0y 37.3x、同業中央値 20.8x;+1y 34.4x;PEG 約 4.3
S&P 500 に対する超過リターンは 3 カ月 +17.9%、1 年 +17.8% で、いずれも 10 ポイント超です。株価は 50 日移動平均を 5.1%、200 日移動平均を 17.5% 上回っています(2026-09-28)。9 月 29 日に 2.7% 下落した後も両方の移動平均線を上回っています。
超過リターン 3M +17.9%、6M +20.0%、1Y +17.8%;200 日移動平均比 +17.5%
5 点から 2 点減点しました。① 6 月四半期の EPS $2.02 には一時的な関税還付 $0.11 が含まれ、売上総利益率にも約 2 ポイント含まれます(8-K、2026-07-30)。アップルは調整後の数値を公表しないため、アナリストが比較する「実績 EPS」はこの還付込みの GAAP 数値です。調整後数値に一時的利益が含まれる場合と同じ扱いにしました。② 在庫は $5.7B から $11.1B に増え、うち部品は $2.1B から $7.6B に増えた一方、製品は $3.6B から $3.4B に減りました(10-Q、2026-07-31)。売上高を大きく上回るペースで、積み増しにあたります。減点しなかった点:TTM の営業外収益 $1.05B は税引前利益の 0.7%、TTM フリーキャッシュフロー/純利益は 1.06 です。
関税還付 1 株 $0.11;部品在庫 $2.1B → $7.6B;FCF/純利益 1.06
5 点から 2 点減点しました。① 1 社で売掛金の 18%(2025 年度末は 12%)を占め、通信キャリア合計では 27% です(10-Q、2026-07-31)。② 定量化されていない法的・規制リスク:反トラスト訴訟の控訴審で Google からの検索収益の支払いが禁じられる可能性(10-Q リスク要因)、司法省の反トラスト訴訟の継続、控訴予定の Taction 評決 $5.7B。減点しなかった点:1 年ボラティリティ 24.5%、最大下落率 -13.8%;ネットキャッシュ約 $62.2B;購入義務 $86.3B は時価総額の 1.8%、TTM 営業キャッシュフローの 0.59 倍です。
1 社で売掛金の 18%;購入義務 $86.3B;ネットキャッシュ約 $62.2B
ウォール街の見方
評価の分布(44社)
目標株価のレンジ
yfinance の集計、アナリスト39人、更新時期は不明。分布を示すだけで、目標株価を裏づけるものではありません。
決算を読み解く
四半期業績
| 四半期末 | 売上高 | 前期比 | 前年比 | 粗利率 | 営業利益率 | 純利益 | 希薄化後 EPS | 営業CF | フリーCF |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 2025-06-28 | $94.0B | -1.4% | +9.6% | 46.5% | 30.0% | $23.4B | 1.57 | $27.9B | $24.4B |
| 2025-09-27 | $102.5B | +9.0% | +7.9% | 47.2% | 31.6% | $27.5B | – | $29.7B | $26.5B |
| 2025-12-27 | $143.8B | +40.3% | +15.7% | 48.2% | 35.4% | $42.1B | 2.84 | $53.9B | $51.6B |
| 2026-03-28 | $111.2B | -22.7% | +16.6% | 49.3% | 32.3% | $29.6B | 2.01 | $28.7B | $26.7B |
| 2026-06-27 | $109.4B | -1.6% | +16.4% | 50.1% | 32.6% | $29.8B | 2.02 | $34.4B | $31.9B |
出典:SEC XBRL。フリーキャッシュフロー=営業キャッシュフロー − 設備投資。第4四半期の EPS は XBRL に欠けることが多く、会社発表の数字を優先します。
バリュエーション
| 基準 | EPS | PER |
|---|---|---|
| GAAP、直近12カ月 | 8.73 | 37.7x |
| 調整後、直近12カ月(アナリスト基準) | 8.72 | 37.8x |
| 今期予想(0y) | 8.82 | 37.3x |
| 来期予想(+1y) | 9.58 | 34.4x |
yfinance の forwardPE 34.4x は FY27(2026 年 9 月末に始まり 2027 年 9 月に終わる年度)の EPS $9.58 を使っています。アップルの決算期は 9 月末で、FY26 は実質的に終わっているため、アップルについては +1y ベースこそが本当の予想ベースで、37.3x より 34.4x の方が参考になります。ただし 34.4x でも同業中央値 20.8x より 65% 高い水準です(同業の基準は揃っておらず、MSFT の 0y は 2027 年 6 月期)。FY26 の EPS 予想 $8.82 は関税還付を含むため、FY27 の +8.6% 成長は一時的項目でかさ上げされた基準からの伸びです。アナリスト 39 人の目標株価中央値は $340 で、現在値より 3.2% 高い水準です。
現在の株価で計算。予想 EPS は yfinance が集計したアナリスト平均で、調整後ベースです。
決算書が語っていること
- 上振れの大半は関税還付です。 yfinance では 6 月四半期 EPS $2.02、上振れ率 6.7% です。プレスリリースには、売上総利益率 50.1% に約 2 ポイント、EPS に $0.11 の関税還付が含まれるとあります(8-K、2026-07-30)。10-Q は還付を製品売上原価の減額として計上したと説明しています(10-Q、2026-07-31)。還付を除く EPS は約 $1.91 で、予想平均 $1.89 を約 0.9% 上回るだけです(推定)。6 月四半期の上振れはほぼ一時的項目によるもので、9 月四半期の見通しでは売上総利益率はすでに 47%–48% に戻っています。
- 在庫は倍増、増えたのはすべて部品です。 yfinance は在庫の前四半期比 +64.4% を警告しています。10-Q の注記では、部品 $2,124M → $7,645M、製品 $3,594M → $3,447M(2025-09-27 → 2026-06-27)です。10-Q に直接の説明はありませんが、同じ書類はメモリーと NAND のコストが上昇し、さらに強まると記しています。値上がり前にメモリーなどの部品を確保したと推測します。今後数四半期のコストの緩衝になる一方、9 カ月の営業キャッシュフローを $5.5B 押し下げました。
- 売掛金の集中度が上昇。 1 社で売掛金の 18%(2025 年度末は 12%)、通信キャリア合計で 27% です(10-Q、2026-07-31)。売掛金回転日数は 26 日(推定)で、長期化していません。
- 無形資産が倍増、理由は開示なし。 無形資産(純額)は $13.3B から $25.4B に、総額で $13.3B 増えました。その他の固定負債は $41.5B から $55.1B に増えています。投資キャッシュフローの「その他」の流出は $1.8B だけで、大半は現金で支払われていません(10-Q、2026-07-31)。分割払いのライセンスやコンテンツ契約と推測しますが、確認できず。
- 基本的な数字はすべて一致。 売上高、営業利益、純利益、GAAP EPS、営業キャッシュフロー、売掛金、在庫は、直近 4 四半期で yfinance と XBRL の差がすべて 0.0% でした。
- キャッシュフローに問題はありません。 TTM の営業キャッシュフロー $146.7B、設備投資 $10.0B、フリーキャッシュフロー $136.7B で、純利益 $128.9B の 1.06 倍です。9 カ月間には 2017 年税制改革に伴うみなし配当課税の残額 $8.8B も一括で支払っており(10-Q、2026-07-31)、これを除けば比率はさらに高くなります。
- 有利子負債は減少。 9 カ月間に新規の社債発行はなく、ターム債 $8.1B とコマーシャルペーパー $5.9B を返済しました。ターム債の簿価は $90.7B から $82.3B に減りました(10-Q、2026-07-31)。
原資料にしか書かれていないこと
- Taction 評決の前、経営陣は重大な損失はないと判断していました。 10-Q は、重大な損失が生じる「少なくとも合理的な可能性」はないとしていました(10-Q、2026-07-31)。9 月 25 日、陪審は $5.7B の賠償を認めました。10-K で引当てるか、いくら引当てるかが焦点です。
- Google からの検索収益が止まるリスク。 10-Q のリスク要因には、控訴審で現行の判決が覆れば Google がアップルに検索配信の対価を支払うことが禁じられ、このライセンス収入に重大な悪影響が出うるとあります。金額は開示されていません。
- 購入義務 $86.3B:製造関連の購入 $57.0B(うち $56.2B は 12 カ月以内に支払い)とその他の購入 $29.3B(10-Q、2026-07-31)。時価総額の 1.8% で減点対象ではありませんが、下期に向けて数量を先に押さえていることを示します。
- 関税リスクは形を変えています。 2026-02-20 に最高裁が IEEPA 関税を無効としたことで会社は還付を申請しましたが、同じ 10-Q は最近発動された 301 条関税と、継続中の 232 条半導体調査にも触れています(10-Q、2026-07-31)。
- サプライヤーの集中:2 社がそれぞれサプライヤー向け非営業債権の 46% と 23% を占めます。
- 非 GAAP 定義の変更:見当たりません。アップルは GAAP のみを開示しており、プレスリリースで関税還付の影響を初めて個別に数値化しました。
- 自社株買いは鈍化:9 カ月で $61.8B(2.15 億株)。キャッシュフロー計算書ベースでは $62.1B で、前年同期は $70.6B でした。4 月に $100B の追加枠を承認しています(8-K、2026-04-30)が、残りの枠は 10-Q に開示されていません。
データベンダーの誤り
| 項目 | yfinance | 原資料(計算方法つき) |
|---|---|---|
| freeCashflow | $107.7B | $136.7B = TTM 営業キャッシュフロー $146.7B − 設備投資 $10.0B(XBRL、2026-06-27 までの 4 四半期) |
| totalCash | $62.4B | $146.5B = 現金 $39.5B + 流動の有価証券 $22.9B + 固定の有価証券 $84.1B(10-Q 注記 4)。有利子負債 $84.3B に対し、ネットキャッシュは約 $62.2B で、純負債ではありません |
| earnings_history 2026-06-30 の上振れ率 | +6.7%($2.02、予想 $1.89) | EPS に関税還付 $0.11 を含む(8-K、2026-07-30)。除くと約 $1.91、上振れ率は約 +0.9%(推定) |
| 売上総利益率(quarterly / grossMargins) | 6 月四半期 50.1% | 関税還付による約 2 ポイントを含む(8-K、2026-07-30)。除くと約 48.1%(推定)。9 月四半期の見通しは 47%–48% |
| forwardPE | 34.4x | +1y(FY27)の EPS $9.58 を使用。FY26(0y)ベースでは 37.3x。アップルの FY26 は 2026 年 9 月下旬に終了しており、本レポートは同業比較に 0y を使い、34.4x も併記 |
| dividendYield | 0.32 | 単位はパーセントで、0.32% を意味します(四半期配当 $0.27 × 4 ÷ 株価) |
株価の推移
同業比較
| ティッカー | 名称 | 時価総額 | 1カ月 | 年初来 | 1年 | PER 実績 | PER 今期 | 売上成長率 | 粗利率 | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| AAPL | Apple Inc. | $4.81T | +5.8% | +24.8% | +33.0% | 37.7x | 37.3x | +16.4% | 48.7% | 32.6% |
| MSFT | Microsoft Corporation | $3.78T | -0.8% | +6.0% | +0.4% | 28.4x | 25.8x | +17.7% | 67.9% | 45.1% |
| GOOGL | Alphabet Inc. | $4.17T | -1.0% | +9.7% | +39.4% | 17.1x | 16.5x | +24.2% | 60.9% | 34.0% |
| AMZN | Amazon.com, Inc. | $2.66T | -7.6% | +6.6% | +12.0% | 19.8x | 19.2x | +19.6% | 50.8% | 13.7% |
| META | Meta Platforms, Inc. | $1.88T | +23.9% | +8.7% | -3.5% | 27.8x | 23.7x | +28.0% | 81.7% | 34.8% |
| DELL | Dell Technologies Inc. | $343.1B | +19.1% | +335.7% | +320.9% | 31.4x | 20.8x | +57.7% | 19.9% | 12.0% |
| 同業中央値 | $2.66T | -0.8% | +8.7% | +12.0% | 27.8x | 20.8x | +24.2% | 60.9% | 34.0% |
yfinance の集計で、決算書とは照合していません。今期PER=株価 ÷ 今期(0y)予想 EPS。forwardPE が来期ベースになる問題を避けています。同業の出典:--peers。中央値は本銘柄を除きます。
同業は MSFT、GOOGL、AMZN、META、DELL を選びました。最初の 4 社は同規模のプラットフォーム企業で、DELL は米国上場のハードウェア企業の代表です(サムスンやシャオミは SEC に提出していないため比較できません)。yfinance が自動で選んだ SONO や UEIC などは規模が違いすぎるため外しました。
アップルはこのグループで最も割高で、最も成長が遅い銘柄です。今期 PER 37.3x に対し中央値は 20.8x、売上高の伸び 16.4% に対し MSFT 17.7%、AMZN 19.6%、GOOGL 24.2%、META 28.0%、DELL 57.7% です。営業利益率 32.6% は中位で、MSFT の 45.1% を下回り、GOOGL や META に近い水準です。GOOGL は成長が速く利益率も同程度なのに PER は 16.5x にすぎません。アップルのプレミアムは株主還元の安定性とブランドでしか説明できず、数字の上では割安ではありません。
スマートマネー
誰が持ち、誰が売買しているか:追跡している人物のうち 6 人が AAPL を保有
| 人物 | データ | 報告期間 | 評価額 / レンジ | ポートフォリオ比率 | 四半期の変化 |
|---|---|---|---|---|---|
| ウォーレン・バフェット | 13F 保有 | 2026-06-30 | $66.0B | 22.0% | 据え置き |
| 段永平 | 13F 保有 | 2026-06-30 | $7.8B | 41.1% | 一部売却 |
| ルネサンス・テクノロジーズ | 13F 保有 | 2026-06-30 | $459M | 0.6% | 一部売却 |
| ジョージ・ソロス | 13F 保有 | 2026-06-30 | $153M | 1.9% | 買い増し |
| レイ・ダリオ | 13F 保有 | 2026-06-30 | $105M | 0.4% | 一部売却 |
| 李録 | 13F 保有 | 2026-06-30 | $32M | 0.9% | 据え置き |
| 人物 | 日付 | 取引 | 金額レンジ |
|---|---|---|---|
| ナンシー・ペロシ | 2025-12-30 | 買い | $250,001 – $500,000 |
| ナンシー・ペロシ | 2025-12-30 | 一部売却 | $5M – $25M |
| ナンシー・ペロシ | 2025-12-24 | 一部売却 | $5M – $25M |
各人物の最新の公開済み 13F、インサイダー報告、資産開示から。13F には約45日の遅れがあります。 スマートマネー →
この先の注目点
9 月の雇用統計
市場予想は約 9 万人増、失業率 4.1%。強い数字なら 10 月利上げの観測が高まり、高 PER 株には不利です。
iPhone Duo の予約開始
納期の長さ。すぐに数週間に延びれば需要が強いか供給が逼迫しているかのどちらかで、いずれも 12 月四半期の見通しで確認が必要です。
FOMC の政策決定
25bp の追加利上げの有無。9 月のドットチャートの中央値は年末 4.1%、つまりあと 1 回の利上げを示しています。
FY26 Q4 決算(yfinance のカレンダー、会社は未確認)
売上総利益率が 47%–48% の見通しを守れるか。関税還付がまだ出るか。12 月四半期の見通しがメモリーコストを吸収できるか。部品在庫の消化が始まるか。
FY26 10-K
Taction の $5.7B を引当てるか。無形資産が $13.3B 増えた理由。年度末の顧客集中度と購入義務。
Taction 訴訟の評決後申立てと控訴
判事が賠償額を維持するか。継続的なロイヤルティが上乗せされるか。
リサーチ上の記録であり、投資助言ではありません。
出典
株価・アナリストデータ:yfinance + SEC EDGAR、2026-09-28 終値時点、遅延あり。財務データ:SEC EDGAR(XBRL と原資料)。マクロとニュースは各項目のリンク先を参照。赤が上昇、緑が下落。
- FRB 9 月の実施ノート:https://www.federalreserve.gov/newsevents/pressreleases/monetary20260916a1.htm
- CNBC、8 月 CPI:https://www.cnbc.com/2026/09/11/cpi-inflation-report-august-2026.html
- CNBC、9 月 28 日の市場と米国債利回り:https://www.cnbc.com/2026/09/28/stock-market-today-live-updates.html
- CNBC、8 月雇用統計:https://www.cnbc.com/2026/09/04/jobs-report-august-2026.html
- MacRumors、アップル FY26 Q3 決算:https://www.macrumors.com/2026/07/30/apple-3q-2026-earnings/
- VectorShift、FY26 Q3 決算説明会の記録(見通しの詳細):https://vectorshift.ai/research/companies/apple/earnings/2026-q3
- Apple Newsroom:iPhone 18 Pro、iPhone Duo
- ロイター(Claims Journal 転載)、Taction 評決:https://www.claimsjournal.com/news/national/2026/09/28/340403.htm
- 次回 FOMC の日程:https://www.federalreserve.gov/monetarypolicy/fomccalendars.htm
決算説明会の記録は SEC 提出書類ではありません。9 月四半期の売上総利益率見通しが関税還付を含むかどうかについて、MacRumors と VectorShift の記述が食い違っており、確認できず。