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2026-09-28 終値時点 · 決算は FY27 Q2(2026-07-26 終了、10-Q は 2026-08-26 提出)まで。株価は 2026-09-28 終値時点

エヌビディア(NVIDIA)NVDA

エヌビディアの成長は衰えていません。リスクは簿外に移りました。OpenAI向けに最大1050億ドルの保証です

エヌビディアの FY27 Q2 売上高は $96.2B、前年同期比 +105.9% で、営業利益率は 66.2% と1年で 5.4 ポイント上がりました。成長が鈍る兆しはありません。代償はバランスシートの外にあります。8月に OpenAI のオハイオ州データセンターの賃貸契約に最大 $105B の保証を付け(8-K、2026-08-17)、供給契約は1四半期で $119B から $279B に膨らみました(10-Q、2026-08-26)。現金も利益に追いついていません。売上債権回転日数は 45 日から 60 日に延び、Q2 の営業キャッシュフロー $24.1B は純利益 $59.7B の4割にとどまります。今期予想 PER は 24.4 倍と同業中央値 30.5 倍より割安で、成長率は同業で最も高い。これが評価を前向きにしている主因です。

レーティング · 12カ月 · 対 S&P 500
中立
2026-09-30 確定 · レーティングの定義
株価$228.862026-09-28 終値
時価総額$5.49TTechnology
1年騰落率+28.7%年初来 +23.0%
今期予想PER24.4xEPS 9.31(アナリスト平均)
次回決算2026-11-18yfinance カレンダー
01

相場環境

金利が株式と資金を奪い合っています。米10年債利回りは1カ月で 53.5bp 上昇して 5.25% となり、9月には2007年以来の高水準をつけました。FRB は9月16日に 25bp の利上げに踏み切りました。S&P500 は1週間で -1.2%、1カ月で -0.5%、ラッセル2000 は1カ月で -5.5% と、小型株が先に売られています。

資金は AI ハードウェアに逃げ込んでいます。テクノロジー ETF(XLK)は1カ月で +4.9%、年初来 +35.6% と、S&P500 の +12.1% を大きく上回ります。NVDA は3カ月で +17.5% と S&P500 を 15.2 ポイント上回り、1年でも 13.6 ポイント上回っています。VIX は 16.04 で、市場に動揺はありません。

株価への波及経路です。NVDA の1年ベータは 1.89(S&P500 の値動きを何倍に増幅するか)で、金利がもう一段上がれば高バリュエーションの成長株の割引率も上がります(推測:10年債が 5.5% を超えれば、バリュエーションの縮小が利益上方修正を上回る)。もう一つの経路は顧客側です。OpenAI などの AI 顧客は借入でデータセンターを建てており、資金調達コストの上昇は支払い能力を直接削ります。エヌビディアはその一部をすでに保証しています。

指数とセクター

直近1週間1カ月3カ月年初来1年
S&P 5007,670.84-1.2%-0.5%+2.3%+12.1%+15.2%
ナスダック総合26,797.54-1.6%+1.5%+2.2%+15.3%+18.6%
ダウ工業株30種51,349.92-1.0%-4.1%-1.9%+6.8%+10.9%
ラッセル20002,807.92-2.8%-5.5%-7.2%+13.1%+15.3%
Technology セクター ETF194.53-0.2%+4.9%+5.0%+35.6%+40.2%
NVDA228.86+0.7%+5.3%+17.5%+23.0%+28.7%

金利・ボラティリティ・相対パフォーマンス

VIX 恐怖指数16.041カ月 +1.61
米10年債利回り5.25%1カ月 +54bp
ドル指数101.411カ月 +1.71
対 S&P ベータ1.891年相関係数 0.65
3カ月の超過リターン+15.2%対 S&P 500
1年の超過リターン+13.6%対 S&P 500

マクロと市場の出来事

日付出来事この銘柄にとっての意味出典
2026-09-16FRB が 25bp 利上げし 3.75%–4.00% に、2023年以来の利上げ

12対0の全会一致です。声明はインフレが「高止まりしている」、経済活動は「堅調なペースで拡大している」としました。波及経路:政策金利の上昇 → 長期金利の上昇 → 高ベータ成長株の割引率上昇。NVDA にはもう一つの経路があります。AI クラウドやモデル開発企業の資金調達コストが上がり、エヌビディアの保証や支払い猶予はまさにその顧客に向いています。

Federal Reserve
2026-09-15米10年債利回りが 5% を突破、2007年以来の高水準

9月15日に取引時間中 5.04% をつけ、9月28日は 5.25% で引けました(yfinance ^TNX)。報道はインフレの粘着性、国債の大量発行、原油高、AI 投資ブームを要因に挙げています。波及経路:無リスク金利の上昇が PER を直接圧縮します。NVDA の今期予想 PER 24.4 倍は高くありませんが、ベータは 1.89 で、過去1年は指数が 1% 下がるごとに平均で 2% 近く下げています。

CNN
2026-09-118月の CPI は前年比 +3.4%、前月比 +0.4%

コア CPI は前月比 +0.3%、前年比 +2.4% で、総合とコアの差 1 ポイントは主にエネルギーによるものです(BLS)。この統計で9月の利上げが確実になりました。波及経路:エネルギー主導のインフレで FRB に利下げの余地がなく、高金利が長引くため、高バリュエーションのハイテク株には逆風です。

BLS
2026-09-28利回りの上昇が続き、米国株は2日続落

S&P500 は9月28日までの1週間で -1.2%(yfinance)。NVDA は同日に $150B の自社株買い枠の追加を発表し、同じ週に +0.7% でした。自社の株主還元で金利の圧力は一部相殺できますが、流れそのものは変えられません(推測)。

CNBC
02

イベント

2026-09-28
好材料
会社発表

自社株買い枠を $150B 追加、残枠は $235B に

会社は史上最大の自社株買い枠の増額だとし、FY2028(2028年1月期)までに実行する予定です。時価総額 $5.53T に対し $235B は約 4.2%(推定)。7月末の残枠は $99.3B(10-Q)で、$150B を足すと $249.3B になるはずが発表は残り $235B のため、Q3 に入ってから約 $14B を買い戻したとみられます(推測)。対応する 8-K は EDGAR で見つからず、会社のプレスリリースを根拠としています。

出典:NVIDIA Newsroom
2026-09-03
未確定
8-K

Hugging Face を約 $11.9B で買収、別途最大 $1.0B の引き留め株式報酬

8-K(item 8.01)で開示しました。クロージングは2027年上半期の見込みで、規制当局の承認が条件です。エヌビディアはプラットフォームをオープンに保ち、他社の半導体も引き続きサポートすると約束しました。同じ 8-K はリスク要因を追加しています。政府がオープンソースモデル(中国発のモデルを含む)を規制すれば、Hugging Face とエヌビディアの事業に重大な影響が出うるという内容です。買収額は1四半期の売上高の 12% にすぎず、財務への影響は小さい一方、独禁審査の時期と条件はわかりません。

出典:8-K(2026-09-03)
2026-08-27
好材料
レーティング

決算後に18社が目標株価を引き上げまたは据え置き、Raymond James は $515 に

yfinance の集計では、Bernstein $315 → $400、Evercore $413 → $465、Raymond James $352 → $515、JP Morgan $280 → $320。61件の評価のうち58件が買いまたは強い買いです。強気一色ということは期待がすでに織り込まれ、予想超えのハードルが上がっていることを意味します(推測)。

出典:yfinance
2026-08-26
中立
決算

中国:H200 は許可があっても売れず

10-Q によれば米政府は少数の H200 対中輸出許可を出しましたが、中国政府が購入を制限し、出荷は Q2 データセンター売上高の 1% 未満にとどまりました。米国での検査を経由する H200 には 25% の関税がかかり、顧客に転嫁できていません。Q3 見通しは中国向けデータセンター演算売上をまったく含んでいないため、予想への影響は限定的です。中国はリスクではなくオプションです。

出典:10-Q(2026-08-26)
2026-08-26
悪材料
決算

供給契約が1四半期で2倍超に、$119B → $279B

10-Q によれば増加分は「主にメモリーの調達」で、一部の契約は正式発注前なら取り消しや変更が可能です。$279B は過去12カ月の売上高 $303.0B に迫ります。今後2年の需要に賭けて数量を押さえたもので、需要が鈍れば評価損や違約金に変わります。FY27 上期にはすでに H200 の在庫と購入義務で $0.4B の損失を計上しており、こうした契約がこじれた場合の姿を示しています。

出典:10-Q(2026-08-26)
2026-08-26
好材料
決算

Q2 売上高 $96.2B で予想超え、Q3 見通しは $108.0B

調整後 EPS は $2.22 で、アナリスト予想 $2.09 を上回りました(+6.2%)。データセンター売上高は $89.0B で前年比 +117%、うち AI クラウド・産業・企業向け(ACIE)は +138% と、ハイパースケーラー向け(+102%)より伸びています。Q3 の売上高見通しは $108.0B ±2% で、中国向けデータセンター演算売上はゼロで計算しています。粗利益率の見通しは 74.0% で、Q2 の 75.0% から下がります。報道によれば経営陣は Q4 の粗利益率がメモリー価格の上昇で 71%–72% で底を打つとみており、決算当日の株価は 1.6% 安で引けました(Insider Monkey、Yahoo Finance 掲載、2026-08-29。SEC 書類では確認できず)。

出典:8-K 新闻稿(2026-08-26)
2026-08-17
悪材料
8-K

OpenAI の SB Energy データセンター賃貸に最大 $105B を保証

8-K(item 1.01、2.03):エヌビディアは SB Energy と複数の残価保証契約を結び、オハイオ州 PORTS キャンパスの約 4.25GW 分の賃貸契約をカバーします。テナントは OpenAI です。OpenAI が債務超過に陥るか賃料を払わなくなった場合、エヌビディアは保証最低価値と再賃貸・売却による回収額との差額を支払い、累計上限は $105B です。保証は建設の完了に合わせて9期に分けて発効し、第1期は FY2029 の見込みです。会社は各世代の導入が約150万基の GPU、売上高 $150B–$200B に相当すると説明しています(CFO コメント、2026-08-26)。自社のバランスシートで顧客の信用を補い、受注を得る構図です。

出典:8-K(2026-08-17)
2026-06-18
中立
8-K

7本建てで $25.0B の社債を発行、利率 4.25%–5.625%

8-K(item 8.01):償還は2028年から2056年、資金使途は一般事業目的です。長期債務は $8.47B から $33.37B に増えました。現金と市場性債券 $56.6B から社債元本 $33.5B を引いても約 $23.1B のネットキャッシュ(推定)が残り、返済に不安はありません。

出典:8-K(2026-06-18)

赤は好材料、緑は悪材料(中国式の配色)、灰色は中立、青はまだ判断できないもの。

過去90日のアナリスト評価の変更(30件、直近12件を表示)

日付機関動き評価目標株価
2026-09-29RosenblattmainBuy → Buy390 → 390
2026-09-10Piper Sandlerinit– → Overweight0 → 300
2026-09-04RosenblattmainBuy → Buy390 → 390
2026-09-04NeedhamreitBuy → Buy300 → 300
2026-08-27CitigroupmainBuy → Buy300 → 315
2026-08-27MizuhomainOutperform → Outperform300 → 315
2026-08-27JP MorganmainOverweight → Overweight280 → 320
2026-08-27BernsteinmainOutperform → Outperform315 → 400
2026-08-27RBC CapitalmainOutperform → Outperform300 → 330
2026-08-27UBSmainBuy → Buy280 → 300
2026-08-27OppenheimermainOutperform → Outperform265 → 315
2026-08-27RosenblattmainBuy → Buy325 → 390

yfinance の集計で、個別には検証していません。up 引き上げ、down 引き下げ、main 据え置き、init 新規、reit 再表明。

03

レーティングとスコアカード

当社のレーティング

中立
今後12カ月のトータルリターンが S&P 500 と±10ポイント以内と予想 · スコアカード加重点 3.70

発行者の判断:中立。ルールによる推奨(買い、スコアカード加重点 3.70)より1段階下です。会社は非常に強いものの、この水準では株価の調整を待ちます。

  • 成長に文句のつけようはない。 FY27 第2四半期の売上高は962億ドル(+105.9%)、営業利益率は1年で60.8%から66.2%へ上昇。今期PERは24.4倍で、同業中央値30.5倍よりむしろ割安です。
  • ただ株価は先に走っている。 52週高値まで2.7%、200日移動平均線を14.6%上回り、1年ベータは1.89。3カ月で S&P500 を15.2ポイント上回りました。この位置からは、センチメントが変わると下げも速い。
  • 現金が利益に追いついていない。 売掛金の回収日数は45日から60日に延び、第2四半期の営業キャッシュフロー241億ドルは純利益597億ドルの約4割。利益には少なくとも64億ドルの未実現投資益も含まれます。
  • リスクは簿外に移った。 OpenAI 向けに最大1,050億ドルを保証し(8-K、2026-08-17)、保証と各種コミットメントは合計5,305億ドル、年間営業キャッシュフローの3.9倍です。

判断を変える条件: ファンダメンタルズを保ったまま株価が200日線近くまで調整するか、11月18日の第3四半期決算で回収期間の短縮とキャッシュ転換の改善が確認できれば、買いに引き上げます。第3四半期の売上高が1,058億ドル未満、粗利率が73.5%未満、あるいは OpenAI の資金調達や支払いに問題が出れば格下げです。

レーティングは公開情報にもとづくリサーチ上の見解で、特定の個人の資産状況を前提にしたものではありません。ルールと分布は レーティングの定義

ファンダメンタルズ5/ 5
バリュエーション4/ 5
モメンタム5/ 5
決算の質2/ 5
リスク2/ 5

リスクの点数は高いほどリスクが低いことを示します。5項目の加重点から推奨レーティングを出し、発行者が確認して確定します。

この点数の理由

ファンダメンタルズ5 / 5

売上高は前年比 +105.9% で、5点の基準 20% を大きく上回り、FY26 通期の +65.5% からさらに加速しています。営業利益率は4四半期で 60.8% から 66.2% に上がり、ルール上は加点対象ですが、すでに上限です。ROE は 117.2%(yfinance)。注視すべきは粗利益率で、Q3 見通しは 74.0% に下がり、報道では Q4 に 71%–72% まで下がる可能性があります(確認できず)。

Q2 売上高 $96.2B、前年比 +105.9%;営業利益率 66.2%(前年 60.8%)

バリュエーション4 / 5

今期(0y、FY27)予想 PER は 24.4 倍で、同業中央値 30.5 倍より 20% 低く、4点の帯に入ります。PEG(PER を 0y から +1y の予想 EPS 成長率 68.5% で割った値)は 0.36 にすぎず、ルール上はもう1段引き上げられますが、見送りました。+1y の EPS 予想は $9.80 から $18.75 まで開きがあり、下限は今期の $9.31 とほぼ同じです。ばらつきが大きすぎて PEG の分母を信頼できません。同業中央値も AMD(80.2 倍)と MRVL(62.5 倍)に押し上げられており、TSM、AVGO、QCOM だけなら中央値は 27.0 倍、NVDA の割安度は 10% にとどまります。

PER(0y)24.4 倍 vs 同業中央値 30.5 倍;PEG 0.36;+1y EPS 予想 $9.80–$18.75

モメンタム5 / 5

3カ月で S&P500 を 15.2 ポイント、1年で 13.6 ポイント上回り、いずれも5点の基準 10 ポイントを超えています。株価は50日移動平均を 5.7%、200日移動平均を 14.6% 上回り、52週高値まであと 2.7% です。

超過リターン 3M +15.2%、1Y +13.6%;株価は50日・200日移動平均の上

決算の質2 / 5

5点から3点を減点しました。① 株式投資利益は過去12カ月の税引前利益の 13.3%($30.6B / $229.8B)を占め、Q1 単独では 22.8% に達しました。10-Q は「主に未実現利益による」と記しており、Q2 の $7.8B のうち少なくとも $6.4B は期末に保有を続ける銘柄の含み益です(10-Q、2026-08-26)。1点減点。② non-GAAP の定義変更:FY27 から調整後の数字は株式報酬を除外しなくなり、過去分も修正されました(8-K、2026-05-20)。より保守的な変更ですが、新旧の数字を直接比べられないため、ルールどおり1点減点。③ 売上債権は前四半期比 +54.9%、在庫は +22.4% と、いずれも売上高の +17.9% を上回ります。会社が説明する支払い期限の延長(90日から1年)と Vera Rubin に向けた在庫積み増しが理由です(10-Q、CFO コメント、2026-08-26)。1点減点。過去12カ月の FCF/純利益は 0.66 で 0.6 を上回るため減点なしですが、Q2 単独では 0.36 にとどまります。

株式投資利益が税引前利益の 13.3%(TTM);DSO 45 → 60 日;FCF $127.0B / 純利益 $192.9B = 0.66

リスク2 / 5

5点から3点を減点しました。① 顧客集中:直接顧客の上位5社で売上債権の 70%(22%、14%、13%、11%、10%)、Q2 は1社で売上高の 16% を占めます(10-Q)。② 簿外の義務:保証 $108.5B、将来の契約債務 $366B(うち供給 $279B)、AI クラウド契約と第三者向けに結んだ賃貸 $56B で合計 $530.5B。過去12カ月の営業キャッシュフロー $134.4B の 3.9 倍で、時価総額の 5% も超えます(9.6%)。③ 数値化されていない後発事象と規制:Hugging Face の買収は独禁審査待ちで、10-Q は EU、米国、英国、中国、韓国の競争当局からの情報提供要請と、フランス競争当局の調査を挙げていますが、いずれも金額は示されていません。1年のボラティリティ 37.8%、最大下落率 -20.2% は減点なし、約 $23.1B のネットキャッシュも減点なしです。

上位5社で売上債権の 70%;保証と契約債務の合計 $530.5B = 営業キャッシュフローの 3.9 倍

ウォール街の見方

評価の分布(61社)

強い買い 10買い 48保有 2売り 1強い売り 0

目標株価のレンジ

中央値 315 · 平均 328最低 180最高 515現在値 227.21

yfinance の集計、アナリスト59人、更新時期は不明。分布を示すだけで、目標株価を裏づけるものではありません。

04

決算を読み解く

四半期業績

四半期末売上高前期比前年比粗利率営業利益率純利益希薄化後 EPS営業CFフリーCF
2025-07-27$46.7B+6.1%+55.6%72.4%60.8%$26.4B1.08$15.4B$13.5B
2025-10-26$57.0B+22.0%+62.5%73.4%63.2%$31.9B1.30$23.8B$22.1B
2026-01-25$68.1B+19.5%+73.2%75.0%65.0%$43.0B–$36.2B$34.9B
2026-04-26$81.6B+19.8%+85.2%74.9%65.6%$58.3B2.39$50.3B$48.6B
2026-07-26$96.2B+17.9%+105.9%75.0%66.2%$59.7B2.46$24.1B$21.4B

出典:SEC XBRL。フリーキャッシュフロー=営業キャッシュフロー − 設備投資。第4四半期の EPS は XBRL に欠けることが多く、会社発表の数字を優先します。

バリュエーション

基準EPSPER
GAAP、直近12カ月7.9228.7x
調整後、直近12カ月(アナリスト基準)7.0132.4x
今期予想(0y)9.3124.4x
来期予想(+1y)15.6814.5x

定義について:アナリストの EPS 予想は調整後ベースで、FY27 から株式報酬を費用に含め、株式投資の損益を除外しています。GAAP の過去12カ月 EPS $7.92 は多額の含み益を含むため、PER 28.7 倍はかえって本業のバリュエーションを低く見せています。今期 0y 予想 EPS $9.31 なら 24.4 倍です。yfinance の forwardPE 14.5 倍は来期(FY28、2028年1月期)の EPS を使っており、比較できません。

+1y の EPS 予想は $9.80–$18.75 で、下限は今期とほぼ同じです。FY28 に増益しないとみるアナリストもいるということです。割安という評価は、FY28 にさらに 68.5% 伸びることが前提です。

現在の株価で計算。予想 EPS は yfinance が集計したアナリスト平均で、調整後ベースです。

決算書が語っていること

基本の数字はすべて一致しました。売上高、営業利益、純利益、GAAP EPS、営業キャッシュフロー、売上債権、在庫は、直近4四半期で yfinance と XBRL の差がゼロです。問題は yfinance が独自に計算した指標と、SEC 書類の本文にあります。

  1. 簿外保証 $108.5B。yfinance には保証がまったく出てきません。8-K(2026-08-17、item 1.01、2.03)は、SB Energy キャンパスでの OpenAI の賃貸契約に上限 $105B の残価保証を付けたと開示しています。既存の AI クラウド向け土地・電力・建屋の保証 $3.5B と合わせ、総額は $108.5B です(CFO コメント、2026-08-26)。保証は FY2029 から段階的に発効し、OpenAI が賃料を払うにつれて減ります。Q2 の四半期末後の出来事のため、四半期の財務諸表には載っていません。
  2. 供給契約 $279B。10-Q(2026-08-26)の契約債務表によれば、供給・生産能力の契約は前四半期の $119B から $279B に増え、主にメモリーです。将来の契約債務は合計 $366B で、ほかに AI クラウド契約 $36B と第三者向けに結んだデータセンター賃貸 $20B があります。うち $267B は FY2029 末(2029年1月)までに期日を迎えます。
  3. 売上債権の急増は意図的な与信。yfinance では売上債権が前四半期比 +54.9% です。本文は、投資適格顧客との複数四半期にわたる大型契約で「90日から1年」の支払い期限を与えたと説明しています。DSO は 45 日から 60 日に延び、経営陣はこうした取り決めが「今後も営業キャッシュフローのタイミングに影響する」としています(10-Q)。上位5社で売上債権の 70% を占めます。Q2 の営業キャッシュフロー $24.1B は前四半期の半分以下です。
  4. 利益に含み益。yfinance は Q2 の $7.77B を「Gain On Sale Of Security」(有価証券売却益)と表示していますが、10-Q は「主に未実現利益による」と書いています。期末に保有を続ける上場株の含み益 $1.5B と非上場株の評価増 $4.9B で、少なくとも $6.4B が未実現です。Q1 の $15.9B も主に含み益でした(CFO コメント、2026-05-20)。保有上場株は $12.9B から $42.8B に増え、うち $36.9B はまだロックアップ中で、株価が下がれば利益を直接押し下げます。
  5. 負債増は社債発行1件。総負債は $12.35B から $38.35B に増えました(yfinance)。これは 2026-06-18 の 8-K(item 8.01)に対応し、7本建てで合計 $25.0B、利率 4.25%–5.625%、償還は2028–2056年です。
  6. 調整後の定義が変わった。FY27 から non-GAAP は株式報酬を除外しなくなり、過去分も修正されました(8-K、2026-05-20)。FY26 Q4 の調整後 EPS は $1.62 から $1.59 に変わっています。yfinance の earnings_history は旧値のままで、TTM の調整後 EPS $7.01 は新旧の定義が混在しています。

原資料にしか書かれていないこと

  • OpenAI 保証の発動条件:OpenAI の債務超過で賃貸契約が不履行になるか、賃料が払われない場合、エヌビディアは保証最低価値と再賃貸・売却による回収額との差額を支払います。発動後は、賃貸契約の引き受け、再賃貸の要求、売却手続きの開始などを選べます(8-K、2026-08-17)。さらに約 3.8GW を追加で保証するオプションを持ち、行使するかどうかはエヌビディアが決めます。
  • VIE のエクスポージャー:インフラ金融会社への持分法投資は $3.3B で、変動持分事業体(VIE)に当たるものの最大損失額は $4.7B、連結対象外です(10-Q)。
  • 新たなデリバティブ:Q2 に上場企業のワラントを取得し、想定元本 $4.8B、公正価値 $824M(レベル3、つまり市場価格がなくモデルで評価)です。ほかに $1.0B の株式先渡契約があります(10-Q)。
  • 非上場株 $47.9B:期初 $22.3B、上期に $31.0B を追加し、今四半期に $4.9B 評価を引き上げました(10-Q)。評価は類似取引に頼り、市場価格はありません。
  • 在庫の内訳:原材料は $3.8B から $11.3B、仕掛品は $8.8B から $13.4B に増えた一方、製品は $8.8B から $6.9B に減りました(1月末から7月末、10-Q)。売れ残りではなく、Vera Rubin に向けた積み増しとみられます。
  • 中国向け H200:許可はあるものの中国側が制限し、出荷はデータセンター売上高の 1% 未満です。米国での検査を経由する分には 25% の関税がかかり、転嫁できていません(10-Q)。
  • Hugging Face 買収:約 $11.9B に加え最大 $1.0B の引き留め株式報酬で、クロージングは2027年上半期の見込みです。8-K はオープンソースモデル(中国発を含む)への規制の可能性をリスク要因に加えました(8-K、2026-09-03)。
  • 配当:四半期配当を $0.01 から $0.25 に引き上げ(2026-05-18 に取締役会が承認)、Q2 の支払額は $6.0B でした。

データベンダーの誤り

項目yfinance原資料(計算方法つき)
freeCashflow$41.8B

$127.0B = 過去12カ月の営業キャッシュフロー $134.4B − 設備投資 $7.35B(XBRL、2026-07-26 まで)。yfinance の算出方法は再現できず

forwardPE14.5 倍

+1y(FY28)の EPS $15.68、つまり 1.5 年近く先の利益を使っています。今期 FY27 の予想 EPS $9.31 なら 24.4 倍

Gain On Sale Of Security(2026-07 四半期)$7.77B、有価証券売却益と表示

10-Q(2026-08-26)本文は「primarily driven by unrealized gains」。期末に保有を続ける上場株の含み益 $1.5B + 非上場株の評価増 $4.9B = 少なくとも $6.4B が未実現

Normalized Income(2026-04 四半期)$58.32B、純利益と同額

同四半期の株式投資利益 $15.94B を除外していない一方、2026-07 四半期では除外しています($53.20B)。基準が一貫せず、使えません

earnings_history epsActual(2026-01 四半期)$1.62

旧定義(株式報酬を除外)。会社は $1.59 に修正済みです(8-K プレスリリース、2026-05-20)。このため TTM 調整後 EPS $7.01 は新旧の定義が混在。2025-10 四半期の修正値は確認できず

05

株価の推移

相対パフォーマンス(起点=100)
NVDAS&P 500ナスダックXLK セクター
7510012515017520024-1025-0125-0425-0725-1026-0126-0426-0726-10184NVDA175XLK セクター148ナスダック133S&P 500
週次終値(調整後)、2024-10-06 を100として指数化。右端の数字は期末の値です。
四半期売上高と営業利益率
売上高(左軸)営業利益率(右軸)
0204060801000%20%40%60%80%$B23-1024-0124-0424-0724-1025-0125-0425-0725-1026-0126-0426-0796.2
直近12四半期。出典:SEC XBRL。
06

同業比較

ティッカー名称時価総額1カ月年初来1年PER 実績PER 今期売上成長率粗利率営業利益率
NVDANVIDIA Corporation$5.49T+5.3%+23.0%+28.7%28.7x24.4x+105.9%74.7%66.2%
AMDAdvanced Micro Devices, Inc.$991.8B+30.6%+183.8%+281.2%156.2x80.2x+50.1%55.7%17.3%
AVGOBroadcom Inc.$1.70T-5.0%+1.6%+5.3%45.8x30.5x+85.5%75.5%54.3%
TSMTaiwan Semiconductor Manufac$2.37T+8.8%+50.2%+67.4%34.0x27.0x+36.0%64.2%60.3%
MRVLMarvell Technology, Inc.$236.6B+16.3%+196.9%+203.5%83.3x62.5x+36.5%52.2%16.7%
QCOMQUALCOMM Incorporated$196.6B+14.8%+11.3%+13.1%21.0x17.6x-4.0%54.2%18.5%
同業中央値$991.8B+14.8%+50.2%+67.4%45.8x30.5x+36.5%55.7%18.5%

yfinance の集計で、決算書とは照合していません。今期PER=株価 ÷ 今期(0y)予想 EPS。forwardPE が来期ベースになる問題を避けています。同業の出典:--peers。中央値は本銘柄を除きます。

同業は AMD、AVGO、TSM、MRVL、QCOM に差し替えました。yfinance の既定リストには SK hynix とマイクロンが入っていましたが、両社はメモリーメーカーで、エヌビディアの競合ではなく供給元です。

NVDA の今期予想 PER 24.4 倍は中央値 30.5 倍(AVGO)を下回り、売上高成長率 +105.9%、営業利益率 66.2% はいずれも同業で最高です。より割安なのは QCOM(17.6 倍)だけですが、QCOM は減収(-4.0%)です。AMD 80.2 倍、MRVL 62.5 倍は利益率が 17% 前後で、中央値を押し上げています。利益率 50% 超の TSM(27.0 倍)と AVGO(30.5 倍)と比べても、NVDA のほうが割安です。

同業データは yfinance の集計値で、個別には確認していません。TSM はエヌビディアの受託製造先で、競合というより同じサプライチェーンのバリュエーションの目安です。

07

スマートマネー

誰が持ち、誰が売買しているか:追跡している人物のうち 8 人が NVDA を保有

人物データ報告期間評価額 / レンジポートフォリオ比率四半期の変化
チェイス・コールマン13F 保有2026-06-30$2.2B9.3%
一部売却
ルネサンス・テクノロジーズ13F 保有2026-06-30$1.4B2.0%
買い増し
段永平13F 保有2026-06-30$1.3B6.6%
一部売却
レイ・ダリオ13F 保有2026-06-30$774M3.2%
一部売却
デビッド・テッパー13F 保有2026-06-30$305M3.9%
買い増し
キャシー・ウッド13F 保有2026-06-30$276M1.8%
買い増し
ジョージ・ソロス13F 保有2026-06-30$213M2.6%
一部売却
張磊13F 保有2026-06-30$3M0.3%
買い増し
人物日付取引金額レンジ
ナンシー・ペロシ2026-01-16
買い
$250,001 – $500,000
ナンシー・ペロシ2025-12-30
買い
$100,001 – $250,000
ナンシー・ペロシ2025-12-24
一部売却
$1M – $5M

各人物の最新の公開済み 13F、インサイダー報告、資産開示から。13F には約45日の遅れがあります。 スマートマネー →

08

この先の注目点

2026-09-30

8月の PCE 物価指数

コア PCE が上昇を続けるか。上昇すれば12月の追加利上げの確率が上がり、金利の圧力が続きます。

2026-10-01

四半期配当 $0.25 の支払い

基準日は9月10日。確定済みで、サプライズはありません。

2026-10-28

FOMC

連続利上げになるか。10年債は 5.25% 前後で、さらに上がれば NVDA のバリュエーションを圧迫します。

2026-11-18

FY27 Q3 決算

売上高が見通し $108.0B(下限 $105.8B)に届くか。粗利益率 74.0% を守れるか。DSO が 60 日を上回り続けるか。供給契約 $279B がさらに増えるか。株式投資利益のうち含み益がどれだけか。

2027 年 12 月

長期ロックアップの上場株 $5.0B が解除

ほかに $36.9B が短期ロックアップ中です。これらの株価変動はそのまま GAAP 利益に入ります。

2027 年上半年

Hugging Face 買収のクロージング予定

各国の独禁審査が条件を付けるか。特に「プラットフォームをオープンに保ち、他社の半導体を支える」との約束が拘束力のある条件になるか。

FY2029

OpenAI 保証の第1期が発効予定

OpenAI の資金調達力と支払い能力。保証が発効すれば、OpenAI の信用力がそのままエヌビディアの偶発債務になります。

リサーチ上の記録であり、投資助言ではありません。

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出典

株価・アナリストデータ:yfinance + SEC EDGAR、2026-09-28 終値時点、遅延あり。財務データ:SEC EDGAR(XBRL と原資料)。マクロとニュースは各項目のリンク先を参照。赤が上昇、緑が下落。

参照した EDGAR 資料(11)