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米国株週報 · 2026年第40週(9/28〜10/2)

S&P500は0.3%下落、ナスダック100は0.7%上昇
長期金利は2002年以来の高水準、雇用統計の下振れで10月利上げ観測は後退

今週も米長期金利の上昇が続いた。米10年債利回りは木曜に一時5.34%と2002年以来の高水準をつけ、30年債利回りは5.61%に達した。金曜発表の9月雇用統計では非農業部門雇用者数が2.9万人増にとどまり、失業率は4.2%に上昇した。市場が織り込む10月利上げの確率は週初の5割程度から2割程度に低下した。S&P500は週間0.3%安、ダウ工業株30種平均は1.3%安となった一方、ナスダック100は半導体株とソフトウェア株に支えられて0.7%上昇した。

S&P500-0.3%終値 7,722.72
ナスダック100+0.7%終値 30,807.93
ラッセル2000-0.2%終値 2,832.90
米10年債5.24%+7bp
VIX 指数15.31週間 +0.44
WTI 原油-1.4%終値 91.11
01

今週の要点

米10年債利回りは2002年以来の高水準、イールドカーブはスティープ化が進行

米10年債利回りは木曜に一時5.34%となり、2007年の高値を上回って2002年以来の水準に達した。30年債利回りは5.61%と24年ぶりの高水準である。FRED の終値ベース(10月1日まで)では、10年債利回りは週間7ベーシスポイント上昇して5.24%、30年債は12ベーシスポイント上昇した一方、2年債は3ベーシスポイント低下して4.78%となり、10年-2年スプレッドは9ベーシスポイント拡大して0.45ポイントとなった。金曜の市場では10年債利回りは5.28%前後で取引を終えた。

内訳をみると、10年実質金利は5ベーシスポイント上昇して2.88%、期待インフレ率は2ベーシスポイント上昇して2.36%であり、上昇の中心は引き続き実質金利である。長期金利の上昇は世界的な国債売りと連動している。英国30年債利回りは1998年以来初めて6%を上回り、フランス10年債利回りは2002年以来、日本の10年債利回りは1990年代半ば以来の高水準となった。報道は、中東での戦闘に伴う原油高、政府の資金調達需要、AI インフラ投資による資金需要を要因に挙げている。9月の ISM 製造業景況指数の支払価格指数は71.1から77.9に上昇し、インフレ圧力への警戒を強めた。

長期金利の上昇とともに債券市場のボラティリティは大きく上昇した。MOVE 指数は1週間で11.3ポイント上昇して107.3となり、水曜には一時110.5に達した一方、VIX の上昇は0.44にとどまり15.3であった。ハイイールド債スプレッドは31ベーシスポイント拡大して3.24%となり、2週連続で拡大した。

9月の雇用者数は2.9万人増、10月利上げ観測は大きく後退

米労働統計局が金曜に発表した9月の非農業部門雇用者数は2.9万人増となり、ダウ・ジョーンズ集計の市場予想8.4万人を下回った。失業率は4.1%から4.2%に上昇し、平均時給は前月比0.1%、前年比3.0%の上昇と、CPI 上昇率の3.4%を下回った。7月と8月は合計6万人下方修正され、7月は2.1万人増から1万人減に改められた。

発表後、10年債利回りは一時約6ベーシスポイント低下して5.18%をつけたが、その後は上昇に転じた。金利先物が織り込む10月利上げの確率は、9月29日の約51%から約17%に低下した(CME FedWatch、金曜の時点により17〜25%)。ただし12月の利上げについては、市場は引き続き高い確率を織り込んでいる。FRB は9月16日に政策金利を25ベーシスポイント引き上げて3.75〜4.00%としており、次回会合は10月27〜28日である。JP モルガンのチーフ米国エコノミスト、マイケル・フェローリ氏は、10月会合で利上げが議論されるには非常に強い CPI が必要になるとの見方を示した。

今週のその他の指標はまちまちであった。8月の PCE 物価指数は前年比3.4%、コア PCE は3.0%と、いずれも前月から低下した。一方、9月のコンファレンス・ボード消費者信頼感指数は89.4から81.9に低下した。株式市場は雇用統計を好感し、金曜は S&P500 が0.73%、ナスダック総合指数が1.19%、ラッセル2000が0.94%上昇したが、月曜から水曜までの下落を埋めるには至らなかった。

主要指数は総じて下落、上昇は半導体株とソフトウェア株に集中

S&P500 は週間0.3%安、ダウ工業株30種平均は1.3%安となった一方、ナスダック100は0.7%上昇した。均等加重の S&P500 は0.7%下落し、11セクターのうち8セクターが下落した。半導体 ETF(SMH)とソフトウェア ETF(IGV)はそれぞれ4.0%、2.3%上昇した。

半導体株を主導したのはエヌビディアとマイクロン・テクノロジーである。マイクロンは9月30日に第4四半期決算を発表し、売上高542.3億ドル、調整後 EPS 33.42ドルといずれも予想を上回り、次四半期の売上高見通しも市場予想を上回った。エヌビディアは取締役会が自社株買い枠を1500億ドル積み増し、株価は金曜に一時237.88ドルと5月以来の上場来高値を更新し、時価総額は約5.7兆ドルとなった。エヌビディアは週間で3.9%上昇した。

大型テック株は明暗が分かれ、アマゾンは0.7%高、マイクロソフトは0.3%高となった一方、アップルは2.2%安、Meta は3.1%安であった。アップルの下落は、バンク・オブ・アメリカが Meta の「Muse」を含む AI エージェントによりアップルのエコシステム内のオンライン消費が流出する可能性を指摘したことが一因である。テスラは金曜に第3四半期の納車台数を48万6532台と発表し、市場予想の約46.4万台を上回った。株価は同日約5%上昇し、週間の下落率は0.4%に縮小した。

長期金利はインフレ、財政、資金需要によるタームプレミアムの上昇を反映する一方、政策金利見通しは雇用の減速を受けて低下しており、両者の方向は乖離している。

02

市場動向

今週の日次推移(前週末終値=100)
S&P500ナスダック100均等 S&Pラッセル2000
98991001019/259/289/299/3010/110/2101ナスダック10099.8ラッセル200099.7S&P50099.3均等 S&P
11セクターの週間騰落(SPDR セクター ETF)
情報技術+1.8%年初来 +39.3%
エネルギー+1.3%年初来 +43.3%
公益事業+0.8%年初来 -4.8%
資本財-0.3%年初来 +10.4%
一般消費財-0.5%年初来 -7.3%
不動産-1.8%年初来 +3.6%
生活必需品-1.9%年初来 +5.7%
素材-1.9%年初来 +9.1%
コミュニケーション-2.3%年初来 -5.4%
金融-2.5%年初来 -1.1%
ヘルスケア-2.6%年初来 +8.7%
スタイル・テーマ別騰落
半導体+4.0%年初来 +75.1%
ソフトウェア+2.3%年初来 +2.6%
モメンタム+1.4%年初来 +29.5%
グロース(ラッセル1000グロース)+0.6%年初来 +7.7%
クオリティ+0.4%年初来 +13.7%
低ボラティリティ-0.1%年初来 +5.4%
バリュー(ラッセル1000バリュー)-1.0%年初来 +19.8%
大型テック株週間1カ月年初来終値
エヌビディア+3.9%+4.4%+25.7%$233.95
アマゾン+0.7%-1.4%+9.0%$251.52
ブロードコム+0.7%-3.1%+3.2%$355.14
マイクロソフト+0.3%+4.2%+7.7%$517.53
アルファベット-0.1%+2.0%+10.0%$343.50
テスラ-0.4%+3.8%-17.6%$370.59
アップル-2.2%+2.7%+23.1%$333.69
メタ-3.1%+22.9%+10.6%$728.08

11セクターのうち上昇したのは情報技術(+1.8%)、エネルギー(+1.3%)、公益事業(+0.8%)のみで、ヘルスケア(-2.6%)、金融(-2.5%)、コミュニケーション(-2.3%)の下落が大きく、最も強いセクターと最も弱いセクターの差は4.5ポイントであった。金曜の幅広い反発により、資本財(-0.3%)と一般消費財(-0.5%)の週間下落率は大きく縮小した。スタイル別ではグロースが0.6%高、バリューが1.0%安、モメンタムが1.4%高、低ボラティリティが0.1%安であり、テーマ ETF では半導体が4.0%、ソフトウェアが2.3%上昇した。指数でみると、時価総額加重のナスダック100が0.7%上昇した一方、均等加重の S&P500 は0.7%下落しており、前週に続き市場の裾野は狭い。

03

金利・クレジット市場

指標週末値週間変化年初来
米2年債4.78%-3bp+131bp
米10年債5.24%+7bp+106bp
米30年債5.61%+12bp+77bp
10年-2年スプレッド0.45%+9bp-26bp
10年実質金利(TIPS)2.88%+5bp+95bp
10年ブレークイーブン・インフレ率2.36%+2bp+11bp
ハイイールド債スプレッド3.24%+31bp+43bp
投資適格債スプレッド0.86%+5bp+7bp
FF 実効金利3.88%+0bp+24bp

出典:FRED(セントルイス連銀)、今週データのある最終取引日。スプレッドはオプション調整後(ICE BofA)。

VIX 指数15.31週間 +0.44
MOVE 米国債ボラティリティ107.29週間 +11.29
ドル指数101.93週間 +0.96

FRED ベース(10月1日まで)では、2年債利回りは3ベーシスポイント低下して4.78%、10年債は7ベーシスポイント上昇して5.24%、30年債は12ベーシスポイント上昇して5.61%となり、イールドカーブはベア・スティープ化した。10年-2年スプレッドは0.45ポイントに拡大した(10月2日)。金曜の市場では2年債と10年債の利回りはそれぞれ4.84%前後、5.28%前後で取引を終えており、前週末比でもスティープ化している。短期ゾーンの雇用統計と政策見通しへの反応は限定的で、長期ゾーンはタームプレミアムの上昇に押し上げられたとみられる(推測)。

クレジット市場では、ハイイールド債スプレッドが31ベーシスポイント拡大して3.24%、投資適格債スプレッドが5ベーシスポイント拡大して0.86%となった。MOVE 指数は107.3に上昇し、VIX は15.3であった。ドル指数は0.96上昇して101.9。FF 実効金利は3.88%で変わらずである。

04

クロスアセット動向

資産直近週間年初来
日経平均68,309.46+2.9%+35.7%
ビットコイン84,497.21+0.0%-3.4%
ドル/人民元6.70-0.1%-4.2%
ドル/円157.93-0.6%+1.0%
イーサリアム2,668.15-0.7%-10.1%
ユーロ・ストックス506,238.50-1.0%+7.6%
ユーロ/ドル1.13-1.0%-4.2%
上海総合3,842.20-1.2%-3.2%
WTI 原油91.11-1.4%+58.7%
ブレント原油102.25-2.0%+68.0%
ハンセン指数23,972.29-2.2%-6.5%
銅6.49-3.0%+15.3%
金4,162.30-3.7%-4.1%
天然ガス3.04-5.0%-17.7%
銀59.98-6.6%-14.5%

為替は表示通貨ペアの騰落率で、ドル/円の上昇はドル高を示す。原油・天然ガスは期近先物。

実質金利の上昇とドル高が貴金属の重荷となり、金は3.7%安の1オンス4162ドルと2週連続で下落し、銀は6.6%、銅は3.0%下落した。原油は小幅安である。月曜は米国がイラン側の和平案を拒否したことで上昇したが、金曜に G7 が IEA と協調して今後4カ月で最大1億バレルの原油・軽油を放出すると発表した。WTI 原油は週間1.4%安の91.11ドル、ブレント原油は2.0%安の102.25ドルであった。ドル指数は0.96上昇し、ユーロ/ドルは1.0%下落、ドル/円は0.6%下落した。海外株式では、日経平均が2.9%上昇し、ユーロ・ストックス50は1.0%下落、ハンセン指数は2.2%下落した(10月1日は休場)。上海総合指数は国慶節の休場を控えて9月30日までの取引で1.2%下落した。ビットコインはほぼ横ばい、イーサリアムは0.7%下落した。

05

カバレッジ銘柄

ティッカー当社レーティング週間対 S&P年初来
NVDA買い+3.9%+4.2%+25.7%
8031.T中立-2.0%-1.7%+8.1%
MSFT中立+0.3%+0.5%+7.7%
MCD買い-1.9%-1.7%-22.6%
KO買い-2.5%-2.2%+24.9%
TSLA買い-0.4%-0.1%-17.6%
AAPL買い-2.2%-1.9%+23.1%

エヌビディアは今週3.9%上昇し、S&P500 を4.2ポイント上回ってカバレッジ銘柄の中で最も好調であり、金曜には上場来高値を更新した。当社レーティングは買いである。マイクロソフトは0.3%上昇した(中立)。アップルは2.2%安、テスラは金曜の納車台数発表後に反発し週間0.4%安となった。いずれも買い評価である。コカ・コーラは2.5%安、マクドナルドは1.9%安、三井物産は2.0%安であった。詳細はエヌビディア、テスラ、アップル、マイクロソフト、マクドナルド、コカ・コーラ、三井物産の各レポートを参照。

06

来週の注目材料

日付イベント注目点
10/59月 ISM 非製造業景況指数8月は55.4、市場予想は55.7。8月の支払価格指数は72.6と2022年8月以来の高水準であった。今週の製造業の支払価格指数は77.9に上昇しており、非製造業の価格指数は期待インフレ率と12月利上げの織り込みに影響する。
10/79月 FOMC 議事要旨、ウィリアムズ、ボウマン、ローガン、ムサレムの各氏の講演(10/6〜10/8)9月会合は全会一致で25ベーシスポイントの利上げを決定した。長期金利の上昇と雇用の減速に対する参加者の評価、追加利上げの条件が焦点である。
10/710年債リオープン入札(10/7)、30年債リオープン入札(10/8)、3年債入札は10/6長期金利が2002年以来の高水準にあるなか、応札倍率とテールは長期債需要を直接示す指標である。
10/8ペプシコ第3四半期決算(寄り付き前)市場予想は EPS 2.30ドル、売上高約249.8億ドル。コスト上昇と消費需要が生活必需品企業の利益率に与える影響が焦点であり、生活必需品セクターは今週1.9%下落した。
10/910月ミシガン大学消費者信頼感指数(速報値)9月確報値は48.1と4カ月ぶりの低水準で、1年先の期待インフレ率は4.6%、5年先は3.4%であった。期待インフレ率の動向は FRB の利上げ判断に直結する。
10/13再来週:JP モルガン第3四半期決算(10/13)で決算シーズン開始、9月 CPI(10/14)8月の CPI は前年比3.4%、コア CPI は2.4%であった。JP モルガンのチーフ米国エコノミストは、10月会合で利上げが議論されるには非常に強い CPI が必要とみている。銀行決算は高金利下の純金利マージンと与信コストを示す。
07

データの定義と出典

  • 週間騰落率 = 今週最終取引日の終値 ÷ 前週最終取引日の終値 − 1(2026-09-28〜2026-10-02)。指数と ETF は調整後終値。
  • 株価・為替・商品・暗号資産・カレンダーは Yahoo!ファイナンス(遅延あり)。米国債利回り、実質金利、期待インフレ率、信用スプレッド、FF 金利は FRED。
  • セクターは SPDR セクター ETF、スタイルは iShares ラッセル1000 グロース/バリュー、MTUM、QUAL、USMV、テーマは SMH(半導体)とIGV(ソフトウェア)。

今週の引用資料

データの注記

  • FRED の米国債利回り、実質金利、信用スプレッド、FF 金利は10月1日まで(10年-2年スプレッドと期待インフレ率は10月2日まで)。金曜終値の利回りは CNBC の報道による。
  • 上海総合指数は国慶節の休場のため9月30日まで。ハンセン指数は10月1日が休場。

本週報は公開市場データに基づくリサーチ資料であり、一般の読者を対象としている。個人の財務状況を考慮したものではなく、投資助言を構成するものではない。データには遅延があり、原資料の数値が優先される。

データ時点 2026-10-02 · 雅虎财经(行情、汇率、商品、日历);FRED(美债收益率、信用利差、政策利率)